私は置換に負けた

今日の会社帰り、東西線で、私の隣に立っていた女子高生が、「置換だ」と騒ぎ出した。
その対象は私ではなく、反対側の男だった。
私はジャンプ読んでたから、隣にあまり注意が払えなかったが、良く考えたら、二人はやや動きがおかしかったようにも思える。
そして、二人は口論になった。
見るに見かねた私の反対側のおじさんが、二人の間に入っていった。
そしたら、そのおじさんが、今度は置換男からすごい剣幕で怒鳴られてる。
おじさんは、はいはいと適当に受け流してる。
置換男が降りたあと、おじさんは女子高生からお礼を言われてた。
女子高生は泣いていた。



って事件があった。













つまり、私は事件現場から一番近いポジションに居たにも関わらず、何もしなかったわけだ。
何故、あのときもっと二人を注意深く観察しなかったのだろう?
何故、あのとき率先して口論の間に入っていかなかったのだろう?






きっと私は、恐かっただけなのだ。
勘違いして恥ずかしい思いをするのが。
置換男に目を付けられるのが。









私は置換に負けたのだ。
女子高生一人護ることができなかった。
月並みな言葉だが、今度こそは護れるようになりたいと思った。