夢を見ました

やよ〜が死んだ。
私の目の前で。
死んだと言うよりは、惨殺された。
どうやって殺されたのかは覚えていない。
誰が殺したのかも覚えていない。
そんなものは些細な問題だ。
最大な問題は、次に殺されるのは恐らく私であろうということ。




私は逃げた。
やよ〜の死体を放置して逃げた。
姿の見えぬ殺人鬼が、やよ〜の死体に何をするのかは分からない。
あんなことからこんなことまでするのかもしれない。
それは見るに耐えない光景かもしれない。
アイドルヲタとして絶対に阻止すべきだったのかも知れない。
しかし、あれはもはや人ではない。
命通わぬただのモノだ。
私がいくらやよ〜の死体を護ろうとも、もうやよ〜は戻ってこないのだ。
それよりも、私がここで死んだら、誰がXさんを殺人鬼から護るというのだ?
死んだやよ〜と生きているXさんとどっちが大事なんだ?
プライオリティを把握しろ。
そう言い聞かせて自らを正当化した。







殺人鬼の気配があるという異常事態の前では、
目の前にアイドルが居ようが、
目の前でアイドルが死のうが、
そんなことに対して感傷に浸っている余裕など皆無なんだな、
と思い知らされた。






そしたら、断末魔が聞こえた。
今度は誰が?と思ったら、猫だった。
夢の中ではなく、リアル世界の猫の断末魔だった。
時計を見たら夜中の3時半だった。
非常に社会人泣かせな猫である。
やよ〜の呪いか?とも思った。