夢を見ました

ある人物に追いかけられてたんですよ。
今にも私を殺さんかという勢いでね。
しかし、私はあることに気が付きました。







これが夢であるとね・・・。




そしたらもう恐いものなしですよ。
夢なんて、寝ぼけながらの妄想で、現実と区別がつかないだけですからね。
所詮は私の頭の中でのことです。
つまり、この世界においては私は神なのですよ。




そんで、わしの後ろからは何も迫ってきていない。
わしの後ろには何もないんだ、って考えました。




そしたら背後の気配は完全に消え去っていました。




安心して振り返ったら、そこには暗黒の空間が漂ってました・・・。
消そうと思ったら消しすぎたみたい・・・。




復活させようにも、何があったのか全然イメージできねえのさ。
寝ぼけてるからな、当然か?




まあ、消しちゃったものはしょうがないから、
楽しもうと思って、とりあえず空でも飛ぼうかと思いました。




しかし、全然飛べません。




そりゃ、わしは空なんて飛んだことないからな。
そんなことをイメージできねえから飛べないのだよ。




私はこの世界に急速に興味を失いました。




確かにこの世界は私の思い通りになります。
しかし、裏をかえせば、あらゆる事象はわしの思ったとおりにしか動きません。
あらゆる事象を決定するのがこんなにもめんどくさいことだとは思いませんでした。




思い通りになることをプラスに捉えて楽しもうにも、
自分のイメージできないことは実現できないし、
仮に、好きな人に自分の事を好きだと言ってくれても、
所詮はそれは私が言わせたことであると最初から分かっていることなので、
何の感慨もわきません。




そして、ならばいっそのこと全てを消してしまえ、と思いました。
完全なる無の世界なら、私に新たな刺激をもたらすに違いないと考えたからです。





何も見えず、何も聞こえず、何も考えられないような状況を味わえると思っていました。
しかし、確かに何も見えず、何も聞こえず、の状態になりましたが、
意識だけはしっかり残ってました。
そりゃ、そうだ。
そんな無の世界のシチュエーションなんて、体験したこと無いもん。
それに、わしは寝てるだけで死んだわけじゃねえからな。
おかげで、何も見えず、何も聞こえず、しかし意識だけは残っているという最悪の状態を味わうことができましたわ。




ある意味、史上最悪の夢だったな。







次は夢であることに気が付かないといいな。